園長のコラム

園生活の中での日々の子供たちとの関わりから、私たち大人が「よりよく生きる」ことを考える・・・「幼児教育」をテーマに神明幼稚園の園長自らが、思いを綴ります。

第8回 物語のもつ力・ひなまつり会にむけて

 


おひなまつり会について・園長から

 節分・豆まきが終わると、おひなまつり会の劇遊びの活動が始まります。今、職員室では先生たちが、どんなふうに劇遊びの活動を進めていくか、毎日相談していますよ。おひなまつり会に向けた劇遊びの活動は、子どもたちの成長につながるいろいろな要素が含まれた「総合的な活動」です。この機会に、私たちがおひなまつり会にむけた活動で大切にしていることを少し書いてみます。
あか・きい・あお・それぞれの年齢、発達段階に相応しい活動を心がけています
 先ず初めにお伝えしたいのは、「年齢・発達段階に相応しい目標設定」ということです。あかぐみ(年少)では、劇遊びの前段階としての「ごっこ遊び」をしっかり楽しむことが目標です。お話の世界の設定に身も心も入り込んで、心躍らせて楽しんでくれれば十分です。きいぐみ(年中)では、いよいよ劇遊びに挑戦です。お話のストーリーと、劇の中の自分の役割をしっかり理解し、劇遊びを楽しいと感じてほしいと思います。あおぐみ(年長)には、幼稚園生活の総まとめという意味でも、(子どもたちなりに)がんばってほしいと思います。本番に至るまでの過程でも、役決めに始まり、セリフを考えたり、どうすればお客さんに伝わるか考えたり、あおぐみの劇遊びはなかなか「濃い」ですよ。

劇遊びを通じて、人と関わる力を育てたい

 昨今、若者の人と関わる力が弱くなっているのではないか、という話をよく耳にします。実際、そんな感想を抱かせるような事件がこのごろ多いですね。それでは、人と関わる力のある子どもたちを育てるにはどうしたらいいのか、答えは簡単ではないと思いますが、大事なことは、幼稚園⇒小学校⇒中学校と進む中で、友だちや先生、いろいろな人たちと楽しい関わりをたくさん経験することに尽きるのではないかと思います。劇遊びの活動は、みんなで役割を分担し、協力して行う活動です。特に、あおぐみになると、劇の中でもいろいろな役があり、みんなで協力してひとつの劇遊びになることを劇遊びの活動を通じて、経験として理解してほしいと願っています。

能力を発揮する能力・おひなまつり会を通じて自分に自身を持ってほしい

 八名川小学校の小山校長先生が以前に、学芸会は「能力を発揮する能力」を養う活動だ、と仰っているのを聞き、私は「なるほど」と思ったことがあります。そういう意味では、神明幼稚園でも以前から、あか・きい・あお・それぞれの段階に応じて、いろいろな場面でみんなの前で何か発表することを大事にしています。例えば、月曜日のお集まりで、時には週末の楽しかったことをみんなの前で話をしたりします。あおぐみになると、ずいぶん上手にいろいろなことをお話してくれるので、面白いですよ。あか・きいのときにはみんなの前でお話しする勇気のなかった子が、初めて自分から発表してくれたときは、その日の職員会でさっそく担任から報告があり、みんなで喜びます。おひなまつり会では、おおぜいのお客さんの前で劇遊びをします。そういうことが大好きな子もいれば、とても緊張する子もいますが、おおぜいのお客さんの前で劇遊びをする経験は、ひとりひとりの子どもたちにとってそれぞれに、大きな自信になることでしょう。大いに励まし、そして達成できた喜びをともに感じて大いに誉めてあげたいと思います。

物語の持つ力について

 話は変りますが、今の子ども向けのテレビ番組は、ただ相手をやっつけるだけの内容で、番組を放送することで商品を売ることが目的なのかな、としか思えないようなものも少なくない、と私は気になっているのですが、みなさんはどうですか。幼稚園では、おひなまつり会の劇遊びもそうですが、お誕生日会や、日々の絵本の読み聞かせなど、いろいろな場面で子供たちに大事な価値観を伝えるお話を提供していきたいと思っています。昨年のあおぐみは、「エルマーの冒険」の劇遊びを通じて、友情、勇気、など大切なことを感じてくれたのではないでしょうか。そんな願いもこめて、今年も劇遊びの活動をしていきますので、どうぞよろしく。
  さて、「物語の持つ力」というお話をしたついでに、1月の保育から、2つ紹介します。

1月のお誕生会「きたかぜと太陽」の劇をしました

 毎月のお誕生日会では、その月のお誕生児の保護者の方もお招きして、ホールで先生たちで劇をします。(劇以外のこと・例えば保護者の方のコーラスなど・のときもありますが)「物語の持つ力」を信じて、子どもたちの心に何かしらメッセージが届くように、そんな気持ちも込めて劇をします。
 1月のお誕生日会では、久々に園長主演!で「きたかぜと太陽」の劇をしました。配役は、きたかぜ⇒中根、太陽⇒園長、旅人⇒後村のトリオです。きたかぜの場面は扇風機をスイッチオン!音響は電気掃除機の音をマイクで拾いました。きたかぜにマントを吹き飛ばされまいとする後村の迫真の演技は、子どもたちにかなり受けていました。
  実は、「きたかぜと太陽」のお話には、園長は思い入れがあります。亡くなった私の父、初代園長の内野淑はこのお話が大好きで、子供のころ父は私に何度も聞かせてくれました。話の最後は決まって、神明さまの神さまは天照大御神(アマテラスオオミカミ)さまと言ってお日さまの神さまなんだぞ。という締めくくりでした。冷たい北風の力よりも、温かい太陽の光によって、旅人のマントを脱がせることが出来る・・・何か大事なメッセージのあるお話だと思います。神明幼稚園では、折にふれて子どもたちに伝えたいお話です。

消防訓練の前に、あおぐみで絵本を読みました

園長読み聞かせじぷた

 1月22日、深川消防署と地元の消防団が合同で、幼稚園で消防訓練を行いました。当日は消防車が3台も来て、消防団の一斉放水もあり、子どもたちにとっては大喜びの一日になったのですが、それに合わせて、あおぐみ(年長)で絵本を読みました。選んだ絵本は、もちろん「しょうぼうじどうしゃじぷた」です。
 まだ読んだことのない方は、ぜひ一度読んでください。すばらしいお話です。何回読んでも感動します。いまだに園長は涙なくしては読めません。ちびっこ消防車のじぷたが、大きなのっぽ君(はしご車)やぱんぷ君(ポンプ車)に負けずに大活躍します。「ひとりひとりに個性があり、みんなに活躍するチャンスがある。」そんなメッセージを感じるお話です。子どもたちの心のどこかにこの絵本が残ってくれたら、何よりの喜びです。

 

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