園長のコラム

園生活の中での日々の子供たちとの関わりから、私たち大人が「よりよく生きる」ことを考える・・・「幼児教育」をテーマに神明幼稚園の園長自らが、思いを綴ります。

第14回 「対話的」な学び(1)

 久しぶりの「園長のコラム」です!(^-^)。

 

改訂された新しい幼稚園教育要領では「主体的で対話的な深い学び」が幼児期の教育で大切だということが強調されています。ここで「主体的」「対話的」「深い」という3つのキーワードが出てきました。今回はその中で「対話的」ということを、日々の保育中の子どもたちのエピソードを通じて少し考えてみたいと思います。

 

どろけいじゃんけんぽん 
あおぐみ(年長・5歳児)は今日もお庭で元気に遊んでいます。
その中で、子どもたちの最近のブームが『どろけい』(注1)です。
ある日、子どもたちが「どろけい」をして遊んでいると、けいさつにタッチをされてもろうやに入らないどろぼうが出てきて、「ずるい!」との声が上がりました。保育者がそっと見守っていると、子どもたち同士で話し合いが始まりました。
「タッチしたらろうやに入らなくちゃだめだよ!」「そうじゃないと楽しくないよ」。さらに「でも水を飲んでるときはタッチするのなしにしよう」「あと転んだときもなしだね!」と次々ルールの確認をしていきました。納得いくまで話し合いをした子どもたちはどろけいを再開。みんなで確認したルールを守って楽しく遊ぶ姿がありました。
以前は、納得いかないことや都合が悪いことがあるとそこで遊びが終わってしまう場面が見られましたが、あおぐみになって今では少しずつ子ども同士で話し合いをする機会が増え、自分達の考えや思いを伝えあう姿が見られます。
自分の意見を伝え、相手の意見を聞く。聞いてどうしたらいいか考える。小さなことでもみんなで話し合って伝えたり聞いたりする経験を積み重ね、自分たちで解決していく力をつけていってほしいと思います。

 

 幼稚園にこれから入園する保護者の方とお話する機会があると、「うちの子はお友だちとまだうまく遊べません。幼稚園に入ってお友だちとやっていけるか、とても心配です。」というご相談を受けることがよくあります。そんなときには「2歳児がお友だちとまだ上手に関われないのは当たり前です。だってまだ2年しか生きていないのですから(^-^)。これから幼稚園に入って楽しいことをたくさん経験し、同時にお友だちとうまくいかない経験もたくさんして、幼稚園の3年間をかけて他者とのコミュニケーションの方法を学んでいくんですよ。とても気の長い話ですが、いっしょに見守っていきましょう」とお話しさせていただきます。

 

「対話的」とは「他者とコミュニケートする」ということです。自分の考えや思いがいつもうまく伝わる関係のコミュニケーションは、本当の意味での「対話」ではありません。子どもたちは幼稚園に入って他者と出会い、他者との対話の方法を時間をかけて学んでいくのです。

 

(注1)どろけい=「逃げるどろぼうと追いかける刑事」という設定の鬼ごっこ。園長も小学校の低学年のころに「どろけい」をやって遊んだ記憶があります。神明幼稚園では、3歳→4歳→5歳の発達段階に応じて、「ルールのある遊び」を活動に取り入れていきます。どろけい、いろおに、てつなぎおに、などは4歳~5歳の子どもたちの発達段階に相応しい「ルールのある遊び」です。